音のタイル張り舗道。

クラシックという銀河を漂う... 

ハンガリーという視点から、ハイドン、「朝」、「昼」、「晩」。

18世紀、古典主義、というと、どこか均質なイメージがある。いや、ぶっちゃけ金太郎飴っぽい。というのも、古典美を追求するその性格、追及して生まれる端正さが、金太郎飴っぽさにつながってしまうのかもしれない。が、18世紀、古典主義、丁寧に聴いてみれ…

ヴェクサシオン。嫌がらせの向こうに見える風景...

一般的に、クラシックは、真面目で、お上品で、時に難しく、高尚だなんてイメージもございますが、けして、みんながみんなそうではございません。中には、トンデモないものも存在しております。ストを形にしてしまったハイドン(1732-1809)の45番の交響曲、「…

レイハ、サロンの大交響曲、ベートーヴェン、七重奏曲。

音楽史から見て、ベートーヴェンは、どんな時代を生きていたのだろう?ベートーヴェンの音楽があまりに揺ぎ無く存在しているものだから、その時代が過渡期だったなんて、普段、あまり考えない。が、その揺ぎ無いあたりから、ちょっと視点をずらせば、ベート…

リース、信仰の勝利。

さて、2020年は、ベートーヴェンの生誕250年のメモリアル!となれば、やっぱりベートーヴェンをいろいろ聴いてみたい... のですが、当blog的には、もう少し視点を広げまして、ベートーヴェンの周辺にも注目してみたいなと... いや、"楽聖"と呼ばれるベートー…

ル・プランス、ミサ、汚れは御身のうちにあらず。

フランス・バロックというと、とにもかくにもヴェルサイユ!国王を頂点に、音楽官僚たちが織り成した宮廷音楽がそのイメージを形作っている。で、実際、オペラなど、宮廷の作曲家に独占上演権が与えられ、見事な一極集中!が、国中に教会があって、それぞれ…

クープラン、ルソン・ド・テネブル。

音楽室に居並ぶ肖像画に、女性はひとりもいなかった。クラシックは、やっぱり、男の世界なのだ。という固定概念が、数こそ少ないものの、音楽史上における女性たちの活躍を、隠してしまってはいないだろうか?前回、聴いた、17世紀、イタリアのシスターたち…

"O dulcis amor"、17世紀、イタリアの女性作曲家たち...

3月に入りました。そして、すっかり春めいております。分厚いコートを着なくてもよくなると、足取りも軽くなります。が、今年の春は、キリスト教徒でなくとも、四旬節。家で静かにしていることを余儀なくされ... また、そうなったことで、大混乱!ではありま…

ジェズアルド、聖週間の聖務日課のためのレスポンソリウム集。

さて、四旬節に入りました。音楽史の中をフラフラ、フラフラしております当blog... すると、ちょくちょく出くわすのが、この"四旬節"というワード。キリストの復活を祝う復活祭(今年は、4月12日の日曜日!)の前、灰の水曜日(今年は、先日、26日の水曜日... )…

バンキエーリ、マドリガル・コメディ。

さて、本日、謝肉祭=カーニヴァルの最終日(よって、明日から四旬節... )。本来ならば、お祭り騒ぎのはずが、ヴェネツィアのカーニヴァルは、すでに打ち切りになったとのこと、東アジアのみならず、ヨーロッパでも切迫した状況となって参りました。一方、こう…

"EXPLORING TIME WITH MY PIANO"、バロックをピアノで探検。

さて、2020年は、ポーランド出身(とはなっているものの、生まれはリトアニアというね、東欧の歴史の複雑さ... )で、やがてアメリカに渡り活躍するピアノのヴィルトゥオーゾ、ゴドフスキー(1870-1938)の生誕150年のメモリアル!インドネシア、ジャワ島を旅し…

ドビュッシー・ミーツ・ショパン。

突然ですが、マリアージュ... フランス語で、結婚、のことだけれど、仏和辞典を開けば、組み合わせ、という意味も記載されています。だから、料理とワインの絶妙なマッチングとか、マリアージュ、と言ったりしますよね。いや、組み合わせ、なのだから、もっ…

リスト、ノルマの回想。

何だか、世の中そのものが肺炎になってしまったような、そんな息苦しさを感じてしまう今日この頃... ニュースに登場する専門家たちの見解は、それぞれに違うようで、話しを聞けば聞くほど、現在の状況がクリアに見えて来ない(裏を返せば、"新型"に対して、み…

チャイコフスキー、聖金口イオアン聖体礼儀。

今、日本人宇宙飛行士たちへのインタビューをまとめた『宇宙から帰ってきた日本人』(稲泉連著)という本を読んでおります。で、語られる、地球を飛び出して、地球を見つめての、それぞれの印象... 思ったより小さかった、大きかった、ひとつの宇宙船のようだ…

ヴァインベルク、1番と7番の交響曲。

1980年代後半から1990年代前半に作曲された、ヴァインベルクの室内交響曲、1960年代に作曲された、ショスタコーヴィチの13番、14番の交響曲、1920年代に作曲されたモソロフの作品の数々、そして、1941年に作曲されたショスタコーヴィチの7番の交響曲、「レニ…

ショスタコーヴィチ、7番の交響曲、レニングラード。

オペラの序曲、シンフォニアが独り立ちして、歩み出した、交響曲の歴史。18世紀、教会交響曲が登場し、協奏交響曲がブームとなって、さらに、「自然に帰れ」の波に乗り、田園交響曲まで誕生。19世紀になると、ロマン主義に刺激され、より自由な交響詩を派生…

モソロフ、鉄工場、だけじゃない...

音楽史におけるソヴィエトの存在を振り返ると、それは、まさに"冬"だったなと... 2019年、「表現の不自由」で、お祭り騒ぎができた、一面のお花畑、ニッポンの春からしたら、本当の意味で背筋が寒くなる。不自由、云々の騒ぎでなく、表現の自由が無い世界...…

ショスタコーヴィチ、13番の交響曲、バビ・ヤール。

今、改めて、ソヴィエトの音楽を振り返ってみると、実に興味深いなと感じる。ロシア革命(1917)に呼応するように、ロシア・アヴァンギャルドが炸裂した1920年代、刺激的な音楽が次々に生み出されるも、そうした自由は長く続かず、1930年代、スターリンが政権…

ヴァインベルク、室内交響曲。

2019年は、ヴァインベルクの生誕100年のメモリアル。だったのですね... 年明けてから気付きました。で、凹んでおります。毎年末、来年、メモリアルを迎える作曲家には、誰がいるのかなァ~ と、ワクワクしながら調べるのですが、まさか、ヴァインベルクを見…

エストニア、ルーン歌謡と民謡聖歌。

冬はピアノ... に、続いて、冬っぽさを求めて、北欧の音楽なんか聴いてみようかなと... で、バルト三国、エストニアに注目!さて、エストニアと言いますと、N響のシェフ、パーヴォの出身国でありまして、つまり、ヤルヴィ家の故国でありまして、そのヤルヴィ…

シューベルト、19番と20番のピアノ・ソナタ。

冬はピアノ... ということで、ピリオドのピアノによるシューベルトのピアノ・ソナタに始まり、フェルドマンの1950年代のピアノ作品、シャリーノの1990年代のピアノ作品と、ある意味、ピアノの際立った面を聴いて来た今月半ば... 際立ったればこそ、この楽器…

シャリーノ、ピアノ作品集。

大寒、です。改めて、その字面を見つめると、インパクトある!で、この間の土曜日、雪、降りました、関東平野... ほんの少しだけれど、それでも、雪が降る情景に、スペシャル感、感じずはいられないのは、雪降らない圏の住人の性。冬、大いに寒いのはイヤだ…

シューベルト、遠くへの渇望。

これもまた、旅なのかもしれない。冬の旅、ではなくて、シューベルトのアイスランドへの、あるいは、フォークロアへの旅... アイスランド出身のテノール、クリスチャンソンが、シューベルトの歌曲とアイスランドの民謡を並べるという、大胆な1枚を聴いてみよ…

フェルドマン、初期ピアノ作品集。

スキー場の雪不足のニュースに、温暖化の影響をひしひしと感じる今日この頃ではありますが、陽が落ちれば、やっぱり、寒い。夜、足元からの冷え込みをジーンと感じれば、やっぱり冬だなと... という中、ピアノをフューチャーしております。冬はピアノ... そ…

シューベルト、18番と21番のピアノ・ソナタ。

冬はつとめて... 清少納言は、冬の美しさを象徴する一時に、早朝を挙げている。なかなか布団から出るのが難しい時間帯だけれど、そのキーンと冷えた空気、澄んだ大気の清浄さは、確かに、冬なればこそ... そういうクリアさ、嫌いじゃない。ということで、春…

"spaces & spheres"、直観の音楽。

フリー・ジャズって、"ゲンダイオンガク"みたいな印象を受けるのだけれど、それっておもしろいなと思う。ジャズたらしめて来た型枠からフリーになると、"ゲンダイオンガク"っぽく響くというね... そもそも、現代音楽が、難解な"ゲンダイオンガク"の様相(もち…

ベートーヴェン、ミサ・ソレムニス。

2020年は、ベートーヴェン・イヤー!ということで、"新発見"とか、"世界初録音"とか、今からいろいろ期待してしまうのだけれど... そうした矢先、昨年末、ベートーヴェンが、10番目の交響曲として構想し残したスケッチを基に、AIによって"第10番"を作曲する…

明けました、2020年。

明けました、おめでとうございます。本年も、どうぞ、よろしくお願いいたします。 さてさて、年を跨いで風邪を引いてしまいました。何と言う年明け!という中での、令和ニ年、最初のupであります。ということで、とうとうオリンピック・イヤーを迎えるわけで…

さようなら、2019年。

今年、最後のupです。そして、令和元年が、終わります。 それにしても、凄い一年でした。一年で十年分もの時間が流れたてゆくような... 何と言っても、我々は、改元を経験した。時代が動く瞬間というのは、歴史の教科書の中に書かれていることだと思っていた…

2019年、今年の音楽、リヒャルト・シュトラウス、『ばらの騎士』。

今年の漢字、"令"でしたね。いやはや、皆さま、考えてらっしゃらない。令和で、"令"だなんて、もうちょっと2019年がどういう年だったか、考えてみませんこと?などと、突っ込まずいられないのは、例年のことか... ということで、今年も、選びます。音のタイ…

クリスマスに聴くドイツ・バロックの素朴、ハスラーの微笑ましさ。

さて、クリスマス・イヴです。でもって、日本のクラシックにとっては、やっぱり、第九の季節... いや、毎年、思うのだけれど、「第九の季節」って、なかなか感慨深いものがあります(すでに季語だよね... 日本の文化に融け込んでいる... )。が、クラシック的…