音のタイル張り舗道。

クラシックという銀河を漂う... 

2019

レイハ、サロンの大交響曲、ベートーヴェン、七重奏曲。

音楽史から見て、ベートーヴェンは、どんな時代を生きていたのだろう?ベートーヴェンの音楽があまりに揺ぎ無く存在しているものだから、その時代が過渡期だったなんて、普段、あまり考えない。が、その揺ぎ無いあたりから、ちょっと視点をずらせば、ベート…

チャイコフスキー、聖金口イオアン聖体礼儀。

今、日本人宇宙飛行士たちへのインタビューをまとめた『宇宙から帰ってきた日本人』(稲泉連著)という本を読んでおります。で、語られる、地球を飛び出して、地球を見つめての、それぞれの印象... 思ったより小さかった、大きかった、ひとつの宇宙船のようだ…

シューベルト、19番と20番のピアノ・ソナタ。

冬はピアノ... ということで、ピリオドのピアノによるシューベルトのピアノ・ソナタに始まり、フェルドマンの1950年代のピアノ作品、シャリーノの1990年代のピアノ作品と、ある意味、ピアノの際立った面を聴いて来た今月半ば... 際立ったればこそ、この楽器…

シューベルト、遠くへの渇望。

これもまた、旅なのかもしれない。冬の旅、ではなくて、シューベルトのアイスランドへの、あるいは、フォークロアへの旅... アイスランド出身のテノール、クリスチャンソンが、シューベルトの歌曲とアイスランドの民謡を並べるという、大胆な1枚を聴いてみよ…

ダ・ヴィンチ、没後500年、その絵画を音楽で再構築したならば...

さてさて、2019年も、残すところ2週間... 良いことも、悪いことも、凄過ぎた年だっただけに、いつもの年の瀬より、何だか感慨は深くなる。いや、感慨に耽っている場合でなくて、やることいっぱいの年の瀬でありまして... 当blog的には、2019年にメモリアルを…

ベルリオーズ、その特異なる芸術の種... 荘厳ミサ。

12月に入りまして、2019年を振り返ってみるのですが、いやー、今年も、メモリアルを迎えた作曲家、いろいろ取り上げて来たなと... 生誕300年のバルバラ・ストロッツィ(1619-77)、生誕200年のスッペ(1819-95)、オッフェンバック(1819-80)、グヴィ(1819-98)、…

ハーディ・ガーディが描き出す、シェトヴィル版、『四季』。

18世紀、ヴィヴァルディのオペラは、ヨーロッパを席巻するには至らなかったものの、コンチェルトは、ヨーロッパ各地で大人気となった。なぜか?観光都市、ヴェネツィア(地中海の制海権を失い、海運業がままならなくなると、観光業に活路を見出したヴェネツィ…

"RESOUND BEETHOVEN"、戦時下のベートーヴェンを追って、

間もなく8月が終わります。いやはや、温暖化の夏の強烈さが身に沁みる日々でありました。それでいて、大気ばかりでなく、世界も、日本も、やたら熱くなって、炎上しまくった日々でありました。身体ばかりでなく、精神的にも夏バテを起こしてしまいそうな惨憺…

アラスカのアダムズ、砂漠へ、BECOME DESERT...

我々にとっての暑さの問題は、やっぱり湿度だと思う。目には見えない空気中に漂う微細な"水"が、夏の暑い日差しに熱せられて、じっとりと纏わり付いて来る日本の夏... サウナの中にいるようだ、とはよく言ったものだ。けれど、実際は、人間が、目に見えない…

ベルリオーズ、イタリアのハロルド、私小説としての交響曲。

暑いですね。もうすぐ人体自然発火が報告されそうなくらい... だからでしょうか?近頃、あっちでもこっちでも炎上していて... というより、もはや炎上上等!対馬海峡のあちら側など、戦中の日本かと思うような国策民族主義で焚きつけて、本当に21世紀?と耳…

チャイコフスキー、4番、激情の果てのドラマとしての交響曲。

先日、『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』(ドニー・アイカー著)という本を読む。表紙に躍る「死に山」の文字のインパクトが、怪談の季節にぴったり?で、ホラー映画(『ディアトロフ・インシデント』は、後日談として描かれるの…

シベリウス、1番、未純化な状態が生む情念の交響曲。

この間、『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』(花田菜々子著)という本を読む。「出会い系」という響きが、なかなかスパイシーなのだけれど、そういうスパイシーさとは裏腹に、斜陽産業、"本"業界で、苦闘…

アメリカ、帰って来たアンファン・テリヴル、アンタイル。

7月4日は、アメリカ独立記念日。ということで、当blogでは、アメリカの音楽を聴く日、みたいな流れができつつあるような... 昨年は、バーンスタインのミサを聴きました。一昨年は、バーンスタインのホワイトハウス・カンタータを聴きました。というのも、や…