音のタイル張り舗道。

クラシックという銀河を漂う... 

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

スッペ、生誕200年、オペレッタではなくて、黙示録!?

11月も今日で終わり、明日から12月ですよ... あっという間の11ヶ月だったけれど、11ヶ月前、1月を振り返ってみれば、それはあまりに遠く、数年前にすら感じられる。この「あっという間」の"速さ"と、11ヶ月前の"遠さ"に君妙なズレが感じられて、不思議。まる…

エルガーのあの世を巡るオラトリオ、『ゲロンティアスの夢』。

なんちゃって多神+仏教徒ではございますが、ローマ教皇の来日に、何だかテンション上がる!のは、クラシック、音楽史界隈をウロチョロしていると、時折、聖下のお姿をお見掛けするからでしょうか?例えば、パレストリーナの教皇マルチェルスのミサとか... い…

エルガー、チェロ協奏曲、ケラスが見据える、慟哭、諦念...

グンと気温が下がって参りました。気が付けば、11月も下旬です。まさに、晩秋... そこに、しとしと雨に降られたりすると、寂寥感がひたひたと迫って来るようで、身に沁みます。何だか、冬より寂しい感じ... さて、この秋の深まりゆく中、秋はチェロ、あるい…

秋に聴くヴァイオル... ファビュラス!コンソート・ミュージック。

ヴィオラ・ダ・ガンバの起源は、アラブの民俗楽器、ラバーブ(三味線に似ていて、弓を用いて鳴らす擦弦楽器... )に求めることができる。8世紀、イスラム勢力がイベリア半島に進出すると、ラバーブも地中海を渡り、10世紀には、キリスト教諸国にも伝えられたと…

秋に聴くガンバ... シェンクの実直、フィンガーの充実。

ヴィオラ・ダ・ガンバはチェロに似て、まったく異なる楽器である。ヴィオラ・ダ・ガンバが古楽器であるがゆえに、うっかりチェロの古い形だと錯覚してしまいそうになるのだけれど... チェロは、ヴァイオリン属の楽器(ちなみに、我々にとってお馴染みのヴィオ…

秋に聴くガンバ... へフラー、竪琴からとれた初物の果物。

春は曙、秋は夕暮れ、みたいに、四季を楽器で語ったら、どんな感じになるかな?と、この間、秋の夕暮れ間近、差し込む陽の光がこそばゆい電車のシートに揺られながら、何となく考えていた。秋はチェロ。あの少し枯れたようで艶やかな音色は、秋の陽の光に似…

バッハ、無伴奏チェロ組曲、ケラスに引き出される、やさしさ...

日曜、秋晴れの下のパレード。"祝賀御列の儀"という言葉が、凄いインパクトを放っていたのだけれど(それ、また、ツボ!)、テレビで見るその光景は、穏やかで、午後、傾き出した太陽に照らされて、キラキラとしていながら、思い掛けなくアットホームな感じと…

フランス、いともオシャンティーなサン・サーンスのコンチェルト。

ハロウィンのひと騒動が終わり、気が付けば、秋も深まっていて、昨日は立冬でした。今年も、そろそろ終わりが見えて参りましたね... 秋の夜長に、読書の秋、芸術の秋だと、まったり気分にひたるのも束の間、年の瀬へと追い立てられて行くわけです。でもって…

ルーセル、生誕150年、フランスにて、硬派に交響曲と向き合う。

幻想交響曲(1830)、フランスの山人の歌による交響曲(1886)と聴いて来て、ふと思う。フランスの交響曲には、7番とか、8番とか、9番が無い... つまり、シンフォニストと呼べるほど、多くの交響曲を書いた人がいない(えーっと、12番まで書いた、ミヨーという多…

フランスにおける"交響曲"とは... フランスの山人の歌による交響曲。

交響曲というと、やっぱりドイツ―オーストリアのイメージが強い... で、フランスはというと、やっぱり影が薄い。けど、音楽史を紐解けば、交響曲が形作られて行く18世紀、パリの音楽シーンが担った役割は、けして小さくは無い。当時、パリを代表するオーケス…